小説

【書評】よるのばけもの / 住野よる(ネタバレあり)

何か小説読みたいな、、、

という気持ちだけで、

本屋を訪れることが多々あります。

りょりょ(ryoryo__0)です。

今回は、住野よるさんの書いた
「よるのばけもの」を手に取りました!

 

あらすじ

 

夜になると手足が6本に目が8つある黒いバケモノになってしまうようになってしまった主人公のあっちーこと安達。

 

そして、バケモノになると彼は夜の街を徘徊するのです。

 

ある日宿題を学校のロッカーに忘れてしまったためバケモノの姿で学校へと取りに向かう。

 

夜の校舎で誰とも出会うことなく教室まで到着し、ロッカーから忘れ物を取ろうとすると、突然背後から女の子に声をかけられる。声の主はクラスメイトでいじめられている矢野さつき。

 

突然の出会いに2人とも驚くも、彼女はバケモノをすぐに

「あっちー、くんだよ、ね」

 

とそのバケモノをすぐに主人公だとわかってしまう。

 

この夜の出会いを経て、主人公は次の日からもバケモノの姿で矢野のいる夜の校舎に訪れる。

 

そんな不思議な昼休みならぬ、夜休みによって2人の学校生活に変化をもたらす。

 

この日の出会いがきっかけとなり、翌日以降も二人は“夜休み”を供に過ごすことになりました。

 

しかし、昼間の学校では彼らは一切話をしません。なぜなら矢野さつきがクラスでいじめを受けているためです。

 

いじめに巻き込まれたくない安達は、矢野のことを無視し、いじめに対して傍観者であり続けています。

 

矢野と夜休みを過ごす中で、実は矢野がクラスのみんなに思われているような変な奴ではないことに、安達は気が付きます。

 

だんだんとエスカレートしていく矢野へのいじめ…。それは周囲のクラスメイトをも飲み込んで、大きく、大きくなっていきます。

 

矢野の本音を知ってしまった安達は、このいじめに向き合うことができるのでしょうか。

感想(ネタバレあり)

 

この作品は昼の学校生活のパートと夜バケモノになった安達と矢野さんの夜休みのパートを交互に行っていくような展開になっています。

 

また主人公のあっちーは毎晩バケモノの姿になってしまいますが、その姿は本人の想像次第で自由自在に変化させたり操ったりできます。

 

そしてこの作品内で幾度となくその能力で問題を解決してゆくことになります。

 

いじめが題材の小説は今までいくつか読んできましたが、他のとは作品とはひと味、ふた味違います。

 

いじめや中学生の集団的心理が「現実」的でかなりリアルに描写されていますが、そこにバケモノという「非現実」をめちゃくちゃナチュラルに組み込んできて、

 

脳内でもばっちり映像化されました。

 

小説に出てくるいくつかの謎が解明されていない!とか、主人公の行く末は一体どうなるの?とか、

 

ネット上ではちょっとした後味の悪さ?のようなものが飛び交っていましたが、ぼくはこういうの好きです。

 

住野さんが「どうだった?」って問いかけてきているみたいで、ついでに「ちょっと考えてみてよ」って宿題を出されているみたいで。

 

多分、読んでいる人によって結末は様々だと思います。

 

もちろんぼくは、いや多分みなさんも、

 

主人公の行動がきっかけでいじめがなくなることを祈っているはずですよね。

 

主人公が中学・高校・大学を卒業して社会に出たときに。

 

いつかまた悩んだときに、迷ったときに、またバケモノになったときに。

 

大きな壁に直面したときに。

 

あのとき彼女に向けた「おはよう」がきっと将来、壁を乗り越える力の糧になる。

 

誰にでも「ばけもの」になる要素があって、それは自分自身も同じで。

 

そんなときに「本当の自分」を一生懸命探して、迷って、間違えて、きっと最後の一文に繋がれば、それだけで上出来なんじゃないかと、ぼくは思います。

 

「涙なしでは読めません!」とまではいきませんが、

 

深く考えさせられ、スッと涙が流れてしまう内容の一冊でした。