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【あらすじ】『サーカスの夜に』の感想|ほっこり優しい物語に、心癒される【小川糸】

サーカスの夜に

どうも、りょりょです。(ryoryo__0)

先日、小川糸さんの『サーカスの夜に』を読み終わりました。

小説ではなく絵本を読んでいるような柔らかい雰囲気がとても気に入りました。

そんな魅力的な本作について、個人的な感想も入れながらご紹介したいと思います!

『サーカスの夜に』の基本情報

サーカスの夜に 基本情報

あらすじ

両親の離婚でひとりぼっちになった少年は、13歳の誕生日を迎え、憧れのサーカス団・レインボーサーカスに飛び込んだ。

ハイヒールで綱の上を歩く元男性の美人綱渡り師、残り物をとびきり美味しい料理に変える名コック、空中ブランコで空を飛ぶ古参ペンギンと、個性豊かな団員達に囲まれて、体の小さな少年は自分の居場所を見つけていく。

不自由な世界で自由に生きるための、道標となる物語。

著者:小川糸とは?

1973年、山形県に生まれ。

小さい頃から読むことよりも、書くことが好きな少女だったそうで、当時はコラムニストになることが夢だったのだとか。大学を卒業後、マーケティング会社に就職するもすぐに退職。情報誌のライターとして活動を始めますが、すぐに休刊になってしまい、「人の下で働くのはもうやめよう」とアルバイト生活をします。

その後作家になることを目指し、小説の執筆を始めた小川は1999年、雑誌「リトルモア」に『密葬とカレー』を発表しました。作詞や絵本の出版など、マルチな活躍を見せ、2008年『食堂かたつむり』が大ヒット。その後も、魅力的な作品を多数発表する、人気作家となっています。

登場人物

作中では、数多くの人物が登場します。

しかも過去を捨て、好きな食べ物を名前にするという少々独特な習慣があります。

そのためどうしても名前とキャラが混同がちなので、ここでまとめてみました。

ちなみにサーカス団員は団長の血縁者が多く、後は基本的に身寄りのない人や生まれてすぐ捨てられてしまった人で構成されています。

 

少年(ソリャンカ)

本作の主人公。ソリャンカはグランマの好物のスープで、ウクライナ料理の一つ。ということは、舞台はウクライナ?

ローズ

少年を保護してくれた女性。踊り子。薔薇がソウルフード。妊娠していて、作中で元気な男の子を出産する。

トロ

ローズの旦那。クラウンを演じる。団長と三代目のマダムとの子供。

団長

「レインボーサーカス」を仕切る。かつては誰もが認める猛獣使いだった。妻が今で三人いて、ナターシャが四人目。

コック

その名の通り、団員の食事を作っている。かつてはオペラ歌手だったが、ある日突然、声が出なくなってしまい、コックになった。

マダム

団長の現在の妻。三代目にあたり、「レインボーサーカス」の名物である「リングリングドーナツ」を作っている。

キャビア

サーカスの初めに登場し、生卵のジャグリングを披露する。とても痩せている。

チェリー姉妹

トリッパの娘。生後間もなく番外地に捨てられているところを保護された。生まれつき手のひらがくっついているが、あえて分離手術は受けていない。

トリッパ

団長と三代目マダムの間の娘。現場をすでに退いている。

ナットー

団長の次男で、初代マダムとの子供。二十歳の時に性転換して、女性になった。綱渡りにおいて右に出るものはいない。後に「スーパーサーカス」に移籍し、『ズフラ』と名乗る。

ナターシャ

団長の愛人。マダムの死後、四代目のマダムとなる。

テンペ

半世紀以上も黙っている菜食主義者。どんな時でもふんどし一丁で過ごしている。常にスマートフォンを持っていて、それで会話する。天空椅子の達人。

テキーラ

団長と初代マダムの間に生まれた長男。火吹き芸を担当する。

マカロン

キャビアの一人娘。少年に一目惚れされた。

クスクス

団長と二代目マダムの娘。優秀な鳥使いだったが、ある事件でライオンの一撃をくらい命を落とした。

テリーヌ

クスクスの親友。キャビアの奥さん。ある事件で象に蹴飛ばされ、美人だった顔は見る影もなくなってしまった。整形手術を何度も繰り返しある程度まで戻ったが、常に頭からスカーフをかぶっている。




『サーカスの夜に』の感想

サーカスの夜に 感想

世界は優しくて暖かい。

ある時から体が、成長しない少年の話。

とても印象的なのはナットーと少年が別れるシーン。

夜のサーカスでのナットーの美しさが良くわかりました。

遠い世界の出来事のようで意外とすぐ近くに存在する気持ちにもなる。

形を変えることは出来ないから心や気持ちを前に進ませるしかない。

サーカス団を通して少年の心が成長していく様を静かに見守っていく…そんな風に思える小説でした。

「この本に出会えてよかった」って心から思いました。

おわりに 

おわりに

いかがだったでしょうか?

日々生きることがどれだけ大変で、その何気ないことがどれだけ幸せかが本作では描かれています。

普通の暮らしはつまらないという方もいるかもしれませんが、ぼくはそうは思いません。

大切な人と過ごし、おいしいご飯を食べ、温かい寝床で寝る。

少年がレインボーサーカスで勝ち取ったこれらは、彼にとってかけがえのないものになりました。

ぜひこうした空気感を本書で楽しんでもらえたらと思います。

もし未読の方がいたら、ぜひ本書を読んでその魅力を体感してみてください!